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秋こそ要注意!冷え性女性が見落としがちな“内臓冷え”とは?

秋こそ要注意!冷え性女性が見落としがちな“内臓冷え”とは?
山科区・川田
山科西まつい内科クリニック
松井 真起子

秋の「なんとなく不調」、原因は“内臓の冷え”かも?

朝晩の気温がぐっと下がり、秋の気配を感じる季節。外の気温に合わせて服装で調整しているつもりでも、「なんとなく体がだるい」「お腹の調子が悪い」「手足が冷える」といった不調を感じる人が増えます。
それは、単なる“冷え性”ではなく、体の内側が冷えている「内臓冷え」が原因かもしれません。

見た目では分かりにくい内臓冷えは、気づかないうちに代謝やホルモンバランスの乱れにつながることも。特に40代以降の女性は、更年期に伴うホルモン変化で体温調節機能が低下しやすく、秋の気温差によって内臓冷えを悪化させやすいといわれています。

内臓冷えとは? “体の中心”が冷える状態

「内臓冷え」とは、体の内部、つまり胃腸などの内臓が冷えてしまう状態のこと。
手足の体温は普通でも、内部の温度が下がっているため、血流が滞り、全身のバランスが崩れていきます。

内臓は、体温を一定に保つために働く重要な器官。ここが冷えると、体はさらに熱を逃がさないように末端の血流を制限するため、「風邪を引きやすい」「太りやすい」「疲れやすい」などの症状が現れやすくなります。

秋に内臓冷えが悪化しやすい理由

秋は、昼と夜の寒暖差が大きく、体温調節が追いつきにくい季節です。
特に女性が内臓冷えを起こしやすいのは、次のような生活習慣や環境が関係しています。

  • 冷たい飲み物・食べ物の取りすぎ(まだ冷たいスイーツやアイスコーヒーを選びがち)
  • 薄着や素足での外出(朝晩の冷えを軽視してしまう)
  • シャワーだけで済ませる入浴習慣
  • ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ

こうした要因が重なると、体は「冷えスパイラル」に陥り、胃腸の働きが低下して代謝が落ち、体の深部がどんどん冷えていくのです。

内臓冷えのサインを見逃さないで

以下のようなサインがある場合は、すでに内臓冷えが進んでいる可能性があります。

  • お腹を触ると冷たい
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 朝起きたときに体が重い
  • 肩こりや腰痛が慢性化している
  • 寝つきが悪く、疲れが取れにくい

今日からできる!内臓冷え対策3選

内部から温める 温活食材 深部体温

1. 温かい飲み物で「内側から温める」

冷たい水やアイスドリンクを控え、白湯・生姜湯・ハーブティーなどを常備しましょう。
朝起きて一杯の白湯を飲むことで、内臓がじんわり温まり、腸の動きも活発になります。

2. 「温活食材」を意識して取り入れる

体を温めるとされる根菜類(生姜・人参・ごぼう)発酵食品(味噌・納豆・キムチ)を積極的に。秋が旬の「れんこん」「かぼちゃ」などもおすすめです。
食材選びで“季節と調和した温活”を意識しましょう。

3. ぬるめのお風呂で「深部体温」を上げる

シャワーで済ませず、38〜40℃の湯に15〜30分ほど浸かるのが理想的。
血流を促進し、副交感神経が優位になることで、睡眠の質も向上します。
お腹や腰を意識して温める「腹巻き」や「湯たんぽ」も、秋の冷え対策には効果的です。

プラスαのケア:漢方・プラセンタ治療も選択肢に

冷えを自覚する人の割合は、60歳以上の更年期を過ぎたあたりから急速に増えるといわれています。

自覚症状のうち、「手足の冷え」が最も気になる症状であると訴える人の割合

※公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 〜厚生労働省 平成25年国民生活基礎調査より引用〜

長寿国・日本では今後さらにその割合が増えると考えられ、冷えの改善は中高年女性にとって重要なテーマです。

日常での食事・運動・入浴に加えて、漢方治療プラセンタ療法も有効な選択肢です。
特にプラセンタ注射は、女性(45〜59歳)は保険適用になる場合があり、ホルモンバランスの安定や血流改善が期待できます(※男性は自費診療)。

おすすめの「内臓冷えケア」スポット

内蔵冷えケアにおすすめなのは、温泉や岩盤浴、薬膳カフェ、発酵食ランチなど、楽しく体を温められるスポット。週末には嵐山や鞍馬の温泉でゆっくり過ごしたり、薬膳スープが楽しめるお店を訪れてみたりするのもよいでしょう。
「季節の移ろいを感じながら、心と体を整える」—京都の秋を楽しみながらウェルネス習慣を始めてみてください。

Q&A|秋の内臓冷えに関するよくある質問

Q1. 手足が温かくても内臓が冷えていることはありますか?

A. はい。外側が温かくても、内臓が冷えている場合があります。特に「片頭痛がする」「夜に寝つけない」などの症状がある場合は、深部の冷えが隠れている可能性があります。

Q2. 運動で内臓冷えは改善できますか?

A. 軽い運動は効果的です。ウォーキングやストレッチ、ヨガなどで筋肉を動かすと、血流が促進されて体の芯から温まります。激しい運動より、毎日続けられるリズム運動がおすすめです。

Q3. 食べ物で避けたほうがいいものは?

A. 冷たい飲み物や、生野菜・果物の摂りすぎには注意が必要です。サラダよりもスープ、スムージーよりも温かい味噌汁を選ぶなど、体を冷やさない工夫をしましょう。

まとめ|“体の中の冷え”に気づくことが秋の健康習慣の第一歩

秋の体調不良は、実は「内臓冷え」から始まっていることが少なくありません。
外の冷え対策だけでなく、食事・入浴・睡眠といった日々の生活の中で“内側を温める”習慣を意識していくことが大切です。
また、冷えの自覚が強い方は、漢方やプラセンタなどの医療的アプローチも上手に取り入れる方法もあります。季節の変わり目を穏やかに過ごすために、自分の体の声を丁寧に聞きながら、内臓から温めるケアを始めてみてください。

参考文献

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山科区・川田
松井 真起子

消化器内科専門医として、苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査や日帰りポリープ切除を実施。生活習慣病の予防・管理にも力を入れ、忙しい方でも安心して受診できる地域密着のクリニックを目指しています。