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冬季うつ(季節性うつ)に注意!光と活動で整える心のバランス

冬季うつ(季節性うつ)に注意!光と活動で整える心のバランス
京都市南区
有限会社創建 寿薬局
薬剤師 田中圭子 監修

冬になると「なんだか気分が沈む」「朝がつらい」「やる気が出ない」——そんな気持ちになった経験はありませんか?
寒さや日照時間の短さが続くこの季節、実は多くの人が“心のバランスの乱れ”を感じやすくなるといわれています。

このような状態は、「冬季うつ(季節性うつ、季節性感情障害)」の特徴に似た状態かもしれません。今回は、日常の工夫で“心を軽く保つ”ためのヒントをご紹介します。

冬季うつ(季節性うつ)とは?

冬季うつは、秋から冬にかけて気分が落ち込み、春になると自然と回復していく傾向を指します。
原因はまだはっきりと分かっていませんが、「日照時間の減少」や「体内リズムの乱れ」が関係していると考えられています。

こんなサインを感じたら、少し注意してみましょう。

  • 朝なかなか起きられない
  • いつもより食欲が増す、特に甘いものを欲する
  • 眠っても疲れが取れない
  • 外に出るのが面倒になる
  • 気分の落ち込みが続く

これらはあくまで“傾向”であり、「冬季うつ」と断定できるものではありません。長く続く場合は、専門医に相談することをおすすめします。

冬に気分が沈みやすい理由

日照時間の短さ

冬は朝が暗く、日中も日差しが弱め。体内時計を整える「光の刺激」が足りなくなり、眠気やだるさを感じやすくなります。

活動量の減少

寒いとつい家にこもりがちに。外出が減ると体を動かす機会も減り、気分転換のチャンスも少なくなります。

自律神経の乱れ

冷えや乾燥など、体へのストレスが多くなる冬は、自律神経も乱れやすい季節。
「なんとなく疲れやすい」「やる気が出ない」と感じるのは、体のサインと言われています。

光と活動で整える“冬の心ケア”

心の調子を支えるには、「光」と「体の動き」をうまく生活に取り入れることが大切です。
特別なことではなく、日常の中で少し意識するだけで変化を感じやすくなる方もいます。

(1) 朝の光を味方にする

カーテンを開けて朝日を浴びる

起きたらまず、部屋に光を取り入れてみましょう。
たとえ曇りの日でも、自然光を浴びることで体が「朝だ」と感じやすくなります。

朝の短い散歩もおすすめ

5〜10分でも外を歩くだけで、光を浴びながら体を温めることができます。
無理に運動する必要はありません。通勤前や買い物ついででも十分です。

室内照明を工夫する

朝の支度時は、できるだけ明るい照明に。
特に冬場は「朝の光を意識して浴びる」ことが、一日のスタートを整えるポイントになります。

(2) 軽い運動や外出で気分を切り替える

体を動かすことで血流が良くなり、気持ちのリフレッシュにもつながりやすくなります。
ハードな運動でなくても大丈夫です。

  • 朝のストレッチで体を温める
  • 午後に買い物がてら少し遠回りをする
  • 家の中で軽く掃除や片付けをする

「動く」ことそのものが、気持ちの切り替えに役立つことがあります。
「少しだけ」が続けやすいコツです。

(3) 睡眠リズムを整える

冬はつい夜更かししたり、朝に布団から出られなかったりしがち。
ですが、体内時計が乱れるとさらに気分の波が大きくなります。

  • 朝は同じ時間に起きる
  • 夜のスマホや強い光を控える
  • 寝室を温かく、乾燥しすぎないように保つ

眠る前に温かいお茶を飲んだり、軽くストレッチをしたりするのもおすすめです。
「眠りのリズムを守る」ことが、心の安定にもつながりやすくなります。

自分をいたわる“小さな習慣”を

冬は、無理をしないことがいちばんの心ケア。
たとえば次のような“小さな習慣”を取り入れてみましょう。

  • 朝の支度中に好きな音楽を流す
  • 夜は湯船にゆっくり浸かる
  • 家の中に花を飾る
  • 友人や家族と少し話す時間を持つ

「これをするとちょっと気分がほぐれる」という行動を増やしていくことで、冬の気分の揺らぎをやわらげるきっかけになります。

専門家に相談する目安

気分の落ち込みや疲れが長く続く場合、また日常生活に支障を感じるような場合は、早めに心療内科や精神科などで相談しましょう。
無理に我慢するよりも、早めに話を聞いてもらうことが安心につながります。

また、光療法や薬の服用など、医師の管理のもとで行われる治療法もあります。
家庭での工夫だけでは改善しない場合には、専門的なサポートを受けることも大切です。

まとめ

冬の心の不調は、「自分が弱いから」と責める必要はありません。
寒さや光の少なさは、誰にでも少なからず影響を与える自然な現象です。

だからこそ、

  • 朝の光を浴びる
  • 体を軽く動かす
  • 睡眠リズムを整える
  • 無理をせず自分を労わる

こうしたちょっとした習慣が、心のバランスを整える手助けになります。

自分にやさしいペースで、「冬を乗り切る力」を育てていきましょう。

参考文献

  • 湧永製薬株式会社|健康情報「冬季うつ」
  • 厚生労働省eJIM | 季節性情動障害に対する補完療法について知っておくべき6つのこと

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京都市南区
薬剤師 田中圭子

地域の皆さまの「保健室」として、心と体の両面から健康を支えることを大切にしています。自然の恵みから生まれた漢方薬を通じて、体質や生活に寄り添うご提案を行っています。「笑顔は免疫力を高める」「話す=離す」で心が軽くなる——そんな体験を通して、日々の疲れを癒やし、笑顔を取り戻すお手伝いをしています。