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冬の忙しい時期にこそ歯科検診を受けるべき理由|年末年始のトラブル予防

冬の忙しい時期にこそ歯科検診を受けるべき理由|年末年始のトラブル予防
長岡京市
医療法人文亀会 井上歯科医院
井上 貫 理事長 監修 監修

年末が近づくと、仕事や家庭での行事が増え、あわただしい毎日が続きます。
「気づけばもう12月」「歯医者に行こうと思っていたのに時間がない」
という方も多いのではないでしょうか。

しかし実は、冬の忙しい時期こそ“歯科検診”を受けるメリットが大きい季節だといわれています。
寒さや乾燥、生活リズムの乱れによって、口の中はトラブルが起こりやすい状態になりやすいからです。
年末年始に痛みが出て、「もっと早く行っておけばよかった…」と後悔する人も多い時期。そうならないためにも、冬の口腔ケアについて知っておきましょう。

冬はなぜ歯のトラブルが増える?季節特有の“3つの要因”

冬は気温も湿度も下がるため、口腔環境が乱れやすくなります。
特に次の3つの要因が、歯や歯ぐきのトラブルを引き起こしやすい背景とされています。

(1)冷たい空気で知覚過敏が起きやすい

冬の冷気が歯に触れると、
「キーンとしみる」という感覚を訴える人が増えます。
これは、歯の表面(エナメル質)が薄くなっていたり、歯ぐきが下がっていたりすると起こりやすい症状です。

(2)乾燥で唾液量が低下し、菌が増えやすい

暖房を使う季節は空気が乾燥し、口の中も乾きやすくなります。
唾液量が減ると自浄作用が弱まり、細菌が増えやすい状態が続きます。

その結果、

  • 口臭
  • 虫歯の進行
  • 歯周病の悪化

などにつながることがあります。

(3)年末の“疲れ”が免疫力に影響することも

冬は仕事の繁忙期・忘年会・イベント続きで、身体に疲れが蓄積しやすい時期です。
免疫力が下がると、歯ぐきに炎症が起こりやすくなり、腫れや痛みの原因になることがあります。

年末年始に“歯が急に痛くなる人”が多い理由

歯科医院は年末年始に休診となることが多く、直前・休み明けには“突然の歯痛”の相談が増えると言われています。

その背景には、生活習慣の変化が大きく関わっています。

(1)生活リズムが乱れやすい

年末年始は夜更かしや食べすぎが続きやすく、歯磨きのタイミングが不規則になりがちです。
このような習慣が虫歯の進行や歯ぐきの腫れにつながることがあります。

(2)甘い食べ物・飲み物の摂取が増える

クリスマス、忘年会、お正月……
冬は「糖分をとる機会」が年間で最も多い時期でもあります。

ケーキ、和菓子、お餅、甘い飲料などをとる量が増えると、
虫歯菌が糖を栄養にして酸を作りやすくなり、歯の表面を溶かす原因になることがあります。

(3)「少し痛いけど、今は忙しいし…」と放置しがち

忙しさのあまり、「少し痛むけれど、まあ大丈夫」とそのままにしてしまう方が多いのも年末の特徴です。

しかし、虫歯や歯周病は自然に治るものではなく、進行する可能性があります。
気づいた時には重症化しているケースも少なくありません。

冬の忙しい時期にこそ“歯科検診”を受けるべき理由

忙しい時期に歯科医院へ行くのは後回しにされがちですが、冬は特に検診を受ける意義があります。

(1)小さな症状を“年内に”発見できる

痛みが出てからでは治療回数が多くなることがあります。
しかし、早期に発見できれば、比較的軽い処置で済む可能性もあります。

特に冬は、

  • 少ししみる
  • 歯ぐきが腫れやすい
  • 噛むと違和感がある

といった軽い症状を放置しやすいため、検診でチェックしておくことで安心につながります。

(2)トラブルを未然に防ぎ、休み中を快適に過ごせる

年末年始は歯医者が休みで、痛みが出てもすぐに診てもらえないことがあります。
そのため、事前のチェックは大切です。

冬の検診では、

  • 虫歯の進行具合
  • 歯周病の状態
  • 歯石・歯垢の付着
  • 詰め物や被せ物のゆるみ
  • 噛み合わせの変化

などを確認してもらえます。

(3)クリーニングで“細菌リスク”をリセットできる

クリーニングでは、普段の歯磨きでは取りきれない汚れを除去できます。
口腔内の細菌量が減ることで、虫歯や歯周病を予防しやすくなるとされています。

加えて、舌の汚れや着色も落ちるため、口臭対策としても有効です。

(4)冬は歯ぐきトラブルを悪化させやすい

前述のように、冬は免疫力の低下や乾燥で歯ぐきが炎症を起こしやすい季節。
歯周病が進行すると、腫れや痛みが出ることもあるため、検診はリスク管理に役立ちます。

今日からできる“冬の口腔ケア習慣”

検診と並行して、自宅でのケアを見直すことも大切です。

(1)夜の歯磨きを丁寧に

就寝中は唾液量が減り細菌が増えやすいため、寝る前のブラッシングは特に重要です。

(2)フロス・歯間ブラシを取り入れる

歯ブラシだけでは落としきれない汚れを取り除き、虫歯や歯周病対策になります。

(3)乾燥対策を行う

加湿器を使ったり、意識的に水分補給をしたりすることで、口腔乾燥を防ぎやすくなります。

(4)甘いものの“だらだら食べ”に注意

食べる時間を決め、だらだら長時間口に含まないことが、虫歯予防につながります。

(5)マウスピースの活用(歯ぎしり対策)

冬は寒さやストレスで噛み締めが増える人もいます。
必要に応じて歯科で相談してみるとよいでしょう。

冬の歯科検診は“自分への安心のプレゼント”

年末年始は、美味しい食事や家族との時間を楽しむ大切な季節。
「歯が痛い」「噛めない」「しみてつらい」といった症状が出てしまうと、せっかくの時間が楽しめなくなってしまいます。

だからこそ、
“忙しい冬こそ、歯科検診を取り入れておく”
という習慣が、後の安心につながります。

冬は歯のトラブルが起こりやすい季節。
年末年始に備えて、少し早めにお口の状態を整えておきましょう。

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長岡京市
井上 貫 理事長 監修

歯科医院に抱きがちな「痛い・怖い」という不安を和らげるため、できるだけ負担の少ない治療と丁寧な声かけを重視。リラックスして通える雰囲気づくりを大切にし、相談しやすい環境で予防ケアや定期メンテナンスにも取り組みやすい診療体制を整えています。歯科が苦手な方にも寄り添い、お口の健康を無理なく守れる医院を目指しています。