知らないと怖いピロリ菌。実りの秋に考える胃がん予防


内科・消化器内科 山口医院
実りの秋、食欲の秋。
京都の街も、美味しいものが溢れる季節となりました。
ぶどう狩りや栗拾いも楽しいですし、美味しい京野菜をふんだんに使ったおばんざいや、風情あるお店でいただく和菓子も格別ですね。
でも、ちょっと待って。その美味しいひとときを、これからもずっと満喫するために、ご自身の「胃」の健康について、少し考えてみませんか?
旬の味覚を楽しむ前に知っておきたい「ピロリ菌」のこと

「最近、どうも胃がもたれやすいな」「昔ほどたくさん食べられなくなった」と感じることはありませんか?その不調、実はピロリ菌が原因かもしれません。
ピロリ菌は、胃の粘膜に住み着く細菌で、胃炎や胃潰瘍、そして胃がんの原因にもなりうることが分かっています。特に50歳代は、ピロリ菌感染の可能性が高くなると言われています。
でも、安心してください。
ピロリ菌は、検査で感染の有無が分かり、除菌できる時代です。
「ピロリ菌」ってどうやって検査するの?
ピロリ菌の検査は、とても簡単です。
呼気試験法(尿素呼気試験)
検査薬を飲んで、吐き出した息を調べる方法です。痛みもなく、手軽に受けられます。
便中抗原測定法
自宅で便を採取して医院に提出し、ピロリ菌の有無を調べる方法で、抵抗感は少ないでしょう。
内視鏡検査
胃カメラで胃の状態を直接確認し、組織を採取して調べる方法です。胃がんの早期発見も同時に行えるため、定期的な受診が推奨されています。
ご自身の体調やライフスタイルに合わせて、かかりつけ医と相談して検査方法を選びましょう。
除菌で、さらに健康な胃へ
もし検査でピロリ菌が見つかっても、心配ありません。
お薬を1週間ほど服用するだけで、高い確率で除菌できます。除菌に成功すれば、胃炎や胃がんのリスクを減らすことができます。
京都の秋を、心ゆくまで楽しむために
せっかくの美味しいものを楽しめる季節を、胃の不調で台無しにしたくないですよね。
旬の味覚を心置きなく味わい、紅葉を眺めながらの散策を軽やかな気持ちで楽しむために、一度ピロリ菌検査を受けてみませんか?
ピロリ菌の検査や除菌治療には医療保険適応の条件もありますが、かかりつけの内科や消化器内科で相談できます。ご自身の健康と向き合い、これから始まる人生の第二章を、より豊かに過ごすための第一歩にしましょう。
